労働階級の誕生

市民革命は、人々を封建的な束縛から解放する側面がありましたが、同時にかつての伝統的共同体の中での保護や安定を奪うことを意味しました。

産業革命の進展の中で、人々の労働は、家族的な共同体の中で行われるものから、生産設備を所有する資本家に対して売却する労働力という名の商品となりました。労働関係が、賃金と労働力の交換という、契約の領域の問題になっていったのです。

労働法の誕生

基本的人権の保障により、契約の自由が認められるようになります。

しかしながら、労働者の提供する労働力は、物質ではなく人間の行為であり、貯蔵することができません。そのため、買い叩かれやすく、自ら望まない条件で契約せざるを得ないという特徴があります。労働契約を個人の自由に委ねることは、結果的に労使の力関係まかせとなり、大きな格差を生むことになりました。

そこで、生まれたのが、労働者に団結権や労働契約の最低条件を保障する労働法の誕生でした。