会社制度が人類最大の発明とされるわけ

資本とは多義的な用語です。資本というしくみが絶大な機能を果たすのは、資本と経営が分離され、有限責任という箱で運用される場合であり、そこに本質があります。

会社という制度は、資本の機能そのものを制度としたものです。

会社制度の特徴は、複数の出資者が事業資金を出し合って事業を行い、出した資金に応じて株式という持分の割り当てを受け、その持分に応じて利潤の配当を受け、逆に損失が生じた場合には、出した事業資金の範囲内で責任を負うことにあります。

有限責任とは何か

会社制度の本質を理解したといえるためには、有限責任制度の果たす役割を理解しなければいけません。

会社とは、株主が出した資金の範囲内で責任を負うと説明しました。

これは、会社は、会社財産の範囲のみで債務の支払い責任を負い、会社の財産が底を尽き、支払いきれない債務が残ったとしても、株主が、その支払いの責任を負うことはないということを意味します。

これを、有限責任と言います。